木曜日, 5月 04, 2006

音楽CDのロングテール

CDの売り上げが7年ぶりに前年を上回ったそうだ。

SFCの松村太郎氏のブログでは、iTuneやAmazonなどが、ロングテールを掘り起こしたからだという。
http://www.tarosite.net/blogging/

あえて言えば、こういうことにはwinnyやyou tubeなんかも絡んでいるだろう。

確かに、このところ、われわれの音楽へのアクセス可能性が大きく変わった。それによって、いろいろ聴いたり、知ったりすることができて、マイナーなものも欲しくなるというわけだ。

このように商品の流通の構造は大きく変わっている。
「探すことのデザイン」も。

こ ういう中での更なる「探すことのデザイン」は、例えば、AmazonデータのAPIを用いたハッキングとか、マッシュアップのデザインということになるの だろう。このようにweb2.0的な技術の文脈を考えるなら、「探すことのデザイン」は、従来の情報デザインとは異なったものになるだろう。

web2.0時代の本の著者と読者の関係

バフチンが、ある時期、作者と主人公の関係だけではなく、読者との関係も考えるべきだと指摘したそうだが、現代的なweb 2.0的な技術の中で、本の著者と読者の関係は明らかに変化しつつある。

知り合いがmixiで、ウェブ進化論へのコメントを書いたら、さっそく著者の梅田氏の足あとがついていたそうだ。

実際、以下の梅田氏のサイトで、彼自身で「ウェブ進化論」についてのコメントをSNSも含めて徹底的に調査しているという記事が載っていた。
引用されている村上春樹の記事も興味深い。
村上春樹


梅 田氏はblogを通して500名くらいの(熱心な)読者が見えると書いている。「ウェブ進化論」の場合は、出版前に、一部、blogなどで、記事が公開さ れ、すでに、blogネットワークの中ではよく知られていた。このようなことからこの著者は、blogは、アカデミーと一般の人々をつなぐものだとも書い ている。ただし、啓蒙ではなく、合意形成の場として。
もう一つ、著者と読者の関係を大きく変えているのは、言わずと知れたamazon。

いずれにしても本だけを出版するという時代は終わりつつある。ネットと連動させる、そういう時代だ。出版という営為もウェブという新しいテクノロジーのもとで大きく再編されつつある。 こうしたことは、新しいパースペクティブを持ったメディア論を要求している。