状況論のネットワーク
「状況論のネットワーク」というタイトルの原稿を書き終えた。80年代後半から90年代にかけて展開した理論的系譜と人々のつながりを紹介したもの。ごく簡単に要約すると以下のようになるだろう。
・理論、観点、
いろいろな研究分野をクロスするもの。
社会学、文化人類学、認知科学、コンピュータ・サイエンスが特定
のテーマをめぐって同盟を形成した。
・テーマ、研究対象、
ワークプレイス、人工物の使用、デザイン、実践といったもの。
・仕掛け人、拠点
PARC とIRL(パロ・アルト)
状況 論の形成において、場所性は、大きかった。ネットワークのアレンジという点において。こうした場所のアレンジという点で、状況論を担った世代より一つ上の 世代のJ.S. Brownの役割は大きかった。
幅広いアプローチだった。様々な人々が集まる場が形成されていた。 関連する分野で、いま、それだけの集中力ある流れは存在しない。
しかし、現在、状況論の拠点と言える場所は存在しない。情勢も見えにくくなっている。PARCからサッチマン・グループは去り、IRLもなくなった。
80-90年代と比較するとテクノロジーなども大きく変わった。 例えば、web 2.0ということで代表されるような変化。状況論はこういった新しいテーマにどのようにアプローチできだろうか。
こちらからの仕掛けが必要かもしれない。そのことで見えることもあるだろう。
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