水曜日, 10月 25, 2006

「ポスト状況論:学習環境と情報デザインへのアプローチ」ワークショップのご案内(速報2)

12月2日(土曜日)に、ISCAR, Japan主催の「ポスト状況論:学習環境と情報デザインへのアプローチ」をテーマにするワークショプを行います。このワークショップでは、学習環境や情報のデザインのための観点、実際のデザインの方法を具体的なデザインを紹介しながら模索します。

 また、同時に、12月2日、3日に学生、院生などの研究展示も行います。さらに詳細な情報は、後日、連絡致します。

関心ある方は、ぜひご参加ください。

上野直樹
武蔵工業大学環境情報学部


ISCAR, Japan関連サイトは以下です。今後、このワークショップ関連のお知らせ、資料、議論などは、このサイトに掲載します。
ISCAR, Japanブログ


ワークショップなどの日時、場所、プログラム、発表要旨は以下の通りです。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
日時 
ワークショップ:12月2日(土)午後1時半〜6時半
研究展示:12月2日(土), 12月3日(日)午後1時〜5時

場所 
ワークショップ 武蔵工業大学環境情報学部 3号館2階32A教室
研究展示 武蔵工業大学環境情報学部 4号館2階カフェ

アクセス
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ワークショップ・プログラム

○ 司会、コメント
茂呂雄二(筑波大学心理学系)
有元典文(横浜国立大学教育人間科学部)他

○企画の趣旨と全体のアウトライン紹介
上野直樹(武蔵工業大学環境情報学部)


○サブカルチャーのデザイン

土橋信吾(武蔵工業大学環境情報学部)
「集合体としてのユーザー、ヘビーユースというふるまい」

インターネットのヘビーユーザーへのインタビュー調査を通じて、メディアを使えるということがどのようなことなのかをアクター・ネットワーク理論的な観点から考える。結論的には、ユーザーという存在が個人という概念を超えた集合体/態であることが示され、そうした視点からユーザー・エージェンシーのデザインという新たな論点を提示する。

岡部大介(慶應義塾大学政策・メディア研究科)・宮本千尋(横浜国立大学教育人間科学部)
「ハイブリッドな集合体としての「オタク」」

「オタク」という社会的現実は彼らの参加に先だってある。その「オタク」であることの本質は、人工物、実践等の細部の集合に宿る。本質とは具体的なディテールなのだ。彼らは、自分自身がいかなる「オタク」であるかを、様々なカテゴリや他者、人工物、過去の自分などとの交渉を通して可視にする。ここでは、「オタク」が自分自身について語る場面に着目し、ハイブリッドな集合体(hybrid collectives)として の彼らの日常的な実践を記述する。

○実践やネットワークに埋め込まれた情報デザイン

天笠邦一(あまがさくにかず)(慶応義塾大学政策・メディア研究科)

「カメラ付ケータイを利用したワークショップにおける生活者の主体的『まち』構築の試み」
本研究では、カメラ付ケータイを介した現実空間の文節化とそのWEB上の地図へのマッピング・分類を行うワークショップを通じて、生活者が主体的・実践的に「まち」の見え方を構築するその可能性を論じる。Lynchによる"Juxtaposition"のコンセプトを援用し、カメラ付ケータイにより生成されるイメージによる「現実」の構築とその交換による地域社会への参加のデザインを模索するものである


野々山 正章、澤田 浩二、斉藤 謙介(武蔵工業大学環境情報学部)
「多層的な知識、関心を表現するドキュメントのデザイン」

コミュニティやネットワークの中でドキュメントは用いられ、多視点
的かつ多層的な知識や関心を表現している。このドキュメントのデザインをネットワークのデザインとして捉え、そのモノのみのデザインを超えた、ネットワークの表象としてのデザインを目指し、ツーリング、アマチュアミュージシャン、ゼミなどの具体的な実践に即して、ドキュメントのデザインを試みた。


真行寺由郎(武蔵工業大学環境情報学部)
「時間のエコロジー〜学生間の情報エコロジーをつなぐツールとしてのスケジューラのデザイン〜」
 この研究では、特定の活動に焦点を当て、時間に関する人工物のデザインを通して活動のデザインを行う。また、その活動を取り巻く人工物の配置を調査分析し、時間に関する情報エコロジーを明らかにする。

○ 学習環境のデザイン

加藤 浩(NIME / メディア教育開発センター)

「協調学習環境における創発的分業のデザイン」
本講演では、制度的分業とは別に、人々が相互行為的に分業を組織化し、維持・再編する行為を創発的分業と呼び、創発的分業を支援する学習環境が豊富な学習機会を提供する場として重要であることを主張したい。具体的には、学生が対面でCSCLソフトを使って協働作業している場面を分析して、そこで創発的分業がどのようにして達成されているかを明らかにし、それが成立するための要件を考察する。

小池星多(武蔵工業大学環境情報学部)
「ネットワークとしてのロボットのデザイン」

研究室では、人間とコミュニケーションできるロボットをプログラムして幼稚園に持ち込み、幼稚園の活動の中でロボットをデザインする実践を行っている。ロボットとセットで幼稚園に入り込んだ私達研究室のコミュニティと、幼稚園教員のコミュニティとのネットワーキングの変容が、ロボットというテクノロジーの幼稚園での価値や地位を変容させる。さらに、ロボットのデザインとは、そのもののデザインではなく、教員、学生、ロボットのメーカー、園児、父母との多様な社会的ネットワーキングのデザインである。ここでは、学習環境のデザインをこのようなネットワークとしてのロボットのデザインを通して行なう事例を紹介する。

0 件のコメント: